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綾町:自然生態系を生かし育てる町

1. spiro spero とは。 1月 01 2017

照葉樹林の町、綾町

spiro spero は、九州・宮崎県の綾町を拠点として活動しています。

綾町には、日本の本来の森の姿である照葉樹の森が多く現存しています。

照葉樹林の別名は暖温帯性常緑広葉樹林で、冬になっても落葉せず 1 年中緑色をしており、椿、カシ、シイやクスノキの仲間が多い森林です。

葉が硬く艶があるので、太陽の光に反射してキラキラと葉が照っているように見えるとことから、照葉樹と呼ばれます。

温暖な西南日本から台湾を経て中国南部の雲南省からヒマラヤチベットにいたる地域には、かつて照葉樹林の森が広がっており照葉樹林帯と呼ばれていました。

照葉樹林では多種多様な生物がお互いに影響しあい、豊かな生態系が息づいています。

そしてこの照葉樹林帯では、焼畑農耕、納豆や麹などの発酵食品、漆器、絹、飲茶など、自然の循環の中で自然の恵みを活用した文化が育まれてきました。

 かつては西日本のほとんどが照葉樹林の森に覆われていましたが、戦後の高度経済成長に伴い、照葉樹林の森の伐採・開発や杉などの人工林への転換がすすみ、今ではかつての総面積のわずか 2 % にあたる 3,000 ㎢ のみが残っているだけとなってしまいました。

何万年と続いてきた照葉樹の森が、わずか 100 年の間でほとんど失われてしまったということになります。

そんな貴重な現存する照葉樹の森の約半分が、綾町周辺には息づいています。

この森は運良く開発の手から逃れられたわけではありません。

綾町が「自然との共存」の道を選びこの豊かな森を守ってきたのです。

 

自然との共生を目指すことが町の未来につながる

 先にも述べたように、今から 約 50 年前、日本は高度経済成長期の真っ只中で、開発・伐採を進めていくことが当たり前でした。

その流れは綾町にも及び、主な産業である林業を拡大していくため、山奥の照葉樹の森を切り開き杉を植え付けていくことが検討されていました。

しかし、当時の町長をはじめ町民は、この豊かな森を開発から守り次世代に残すことが綾町の未来につながると考え、自然を犠牲にする開発・伐採を止め、自然と共存することを選んだのです。

この照葉樹林を守る活動により、1988 年にはユネスコエコパーク※に認定され、また豊かな森が育む清流が日本名水百選に選ばれるなど、豊かな自然が県内外から多くの観光客を呼び寄せるまでになっています。

また「自然は循環の世界」ととらえ、自然の摂理を尊重した、自然生態系を有効に活用した農業を自然生態系農業と定め、これを推進する条例も定められています。

地球を汚さない、人をだまさない、本物の野菜をつくることに取り組み、これが無農薬の有機野菜づくりにつながり、今では、「有機農業の町」として知られるようになりました。

 

ユネスコエコパークとは日本国内でのみ使われている通称で、国際的には UNESCO Biosphere Reserve (生物圏保存地域)といいます。

ユネスコ世界自然遺産の目的が顕著な普遍的価値を有する自然地域の「保護・保全」であるのに対して、ユネスコ生物圏保存地域では稀有な生態系の保全と持続可能な利活用の調和、つまり「自然と人間社会の共生」を目指しています。

spiro spero は、自然生態系を守ってきた綾町の取り組みに共感してその思いを継ぎ、この綾町で自然の恵みをどうすれば持続可能(サステナブル)な形で日々の生活に活用していけるかを研究していきます。

 

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